
ガイド時代、知床観光でお客様から一番多かった質問は「熊は出ますか?」でした。
「バスから見れますか~」「見たいな~」などの声が次々上がります。
「運が良かったら見れますよ!」と言うと
お客様は、まさに目を皿のようにして探し始めます。
昔から知床は、ヒグマが沢山生息していることで知られていました。
いま知床で登山をする人に心配なことを聞くと、一番が「ヒグマとの遭遇・つきまとい」だそうです。
確かに知床には、たくさんの野生のヒグマが生息していてますから心配な方も多いでしょう。
知床では、ヒグマに対するルールとマナーがしっかり確立されています。
それに沿って準備しましょう。
とくに初心者の方は熊鈴・熊スプレーなどの熊対策が一番大事です。
熊鈴は、ちゃんと鳴りますか?
この記事では遭遇を防ぐ方法や、もし出会ってしまったときの対処方法などを詳しく説明します。
羅臼岳でヒグマに注意が必要な理由
知床半島には現在およそ400〜500頭のヒグマが生息しているといわれ、世界的に見てもヒグマの生息密度が高い地域として知られています。
登山中はどの場所でも遭遇する可能性があります。
そのためヒグマに対する注意が必要です。
目撃情報について
ヒグマの目撃情報は「知床自然センター」「道の駅うとろ・シリエトク」「知床羅臼ビジターセンター」「道の駅 知床・らうす」などで確認できます。
ネットで確認する場合は、公益財団法人 知床財団の知床情報玉手箱でご覧いただけます。
👉 ▶知床情報玉手箱はこちら
登山前には必ず熊の出没状況を確認しましょう。
出没時期
羅臼岳では、4月の冬眠明けから11月の冬眠前まで年間を通じて、ヒグマが出没します。
春先には、3月から5月には子熊が巣穴から出てきて、動きも活発になってきますからより注意が必要です。
遭遇しやすい場所
特に遭遇率の高いのが 雪渓周辺、羅臼平、オホーツク展望台のあたりです。
「雪渓周辺」
雪解け水で冷涼なため、夏場でもヒグマが涼を求めて集まる傾向があります。
「羅臼平」
高山植物などの食べ物があり、ヒグマが利用することがあります。
「オホーツク展望台」
ヒグマが初夏〜夏にかけて主食とするアリを探して現れることがあります。
安全対策
羅臼岳のある知床エリアは日本有数のヒグマ高密度生息地です。
登山には、熊と遭遇した時のための安全対策が必須です。
熊鈴・ホイッスル
熊鈴は音を鳴らし自分の存在をクマに知らせ、不意にバッタリ遭遇するのを防ぎます。
熊は耳がいいので遠くから鈴の音が聞こえます。
熊に「ここに人がいますよ」と知らせることでクマは人間を警戒して避けます。
先回りして逃げてもらうことで安全が確保できます。
熊鈴を付ける場所は、リュックのショルダーベルト(胸の前あたり)や腰のベルトループなど、「進行方向」に音が響きやすい位置につけるのが最も効果的です。
いつも音が鳴っているか歩きながら注意することも大切です。
ホイッスルは、登山中ずっと吹いてると疲れますので「風や沢の音が強い場所、音の届きにくい場所」で使うといいでしょう。
熊鈴をこれから購入するときは、「高音で遠くまで響く真鍮(しんちゅう)製」で、
周囲への騒音に考慮し「不要な時に音を消せる消音機能付き」がおすすめです。
単独登山の注意点
単独登山者は複数人のパーティよりもヒグマに遭遇するリスクが高くなります。
多人数で話をしながら登山すると、ヒグマはそれを察知して出会わないように避けます。
単独登山では、怪我や体調不良などのトラブル時にも対応が難しくなります。
複数人での登山がおすすめです。
熊スプレー(催涙スプレー)
ヒグマに襲われた時、クマにスプレーを吹きかけ、その攻撃から身を守る道具です
成分は唐辛子の辛味成分(カプサイシン)でこれを強力に噴射し、襲いかかろうとするクマの目や鼻の粘膜に激しい痛みを与えて撃退します。
北米では、90%以上の確率でヒグマ攻撃を止めた効果が認められました。
万一の時に有効な反撃手段があるというだけで、安心感が全然違います。
その安心感から、実際にヒグマと出会っても落ち着いて行動することができます。
ただしザックの中にしまっておいたのでは、意味がありませんから腰のベルトなど、すぐに抜ける場所に着けておきましょう。
また使用するときは、躊躇わず「1・2・3」で一気に噴射しましょう。
ヒグマに遭遇したら
突然目の前に熊がいたら。
怖いと思う前に「思考停止」「びっくり!びっくり!びっくり!」「どうしよう・どうしよう(オロオロ)」
でも、そんな時こそ一呼吸。
突然の遭遇に驚くのは人もヒグマも同じです。
まずは落ち着いて行動することが大切です。
「ゆっくり、ゆっくり落ち着いて」
ヒグマを刺激しないように静かにゆっくりと背を向けずに引き返しましょう。
◎大声を出したり物を投げてヒグマを刺激すると、ヒグマが興奮してしまいます。
速やかに、走らず・背を向けずに退避しましょう。
◎走って逃げるのは絶対にいけません。
熊は時速40km以上で走れるほど足が速く、走るものを追いかける習性があります。
背中を見せて逃げると危険ですから、熊を見ながら後ろに下がります。
もし近くに木があっても登らないで、ヒグマは木登りも上手です。
絶対に取り返そうとしないでください。
ヒグマは自分の獲物に執着するので、慌てずに退避してください。
◎獲られたものはもう、ヒグマの獲物です。
その場所にはしばらく近づかないようにしましょう。
近くに母グマがいる可能性が非常に高いです。
絶対に近づかないでください。
◎ヒグマの母グマは子熊を守るために子熊に近づくと襲ってきます。
ヒグマを目撃した場合、危険な目にあった場合は、「ヒグマに関する通報先」に、
状況を公的機関に連絡し共有するようにします。
★ヒグマに関する通報先★
◎ヒグマを目撃した場合。
下山後、各登山口と遊歩道入口等に設置してある
ヒグマ”目撃”アンケートにできるだけ詳しく記載してください。
◎危険な目に遭った場合
けがをさせられた、所持品や食料を荒らされた、
威嚇を受けた、追いかけられた、つきまとわれたなどの
危険事例が発生した場合。
「090-3778-4308(深夜早朝も可)」に通報してください。
★襲い掛かってきた場合★
🦊 Point1 クマ撃退スプレーを使用
熊スプレーは、腰などのすぐに使用できる位置に装着しておきましょう。
◎咄嗟の場面でもきちんと使用できるよう、あらかじめ操作法を理解しておきましょう。
ヒグマの反撃を避けるため、3~4mの距離を保ちます。
目と鼻を狙い、トリガーを押し込み、一気に発射します。
熊スプレーの射程は5~10mなので、離れたクマに用いても意味はありません。
★★ヒグマがひるんだら、その間に背を向けずゆっくり距離を取りましょう。
落ちついて行動することが大事です。
もし、熊スプレーがないときは防御姿勢を取ります。
◎うつ伏せになって顔と腹部を守ります。
背中のバックパックがプロテクター代わりになるため、手で、首裏と後頭部を保護します。
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安心して登山するために(まとめ)
羅臼岳登山で大事なことは、ヒグマを極端に怖がらずにきちんと事前準備をすること。
そしてヒグマについてちょっとだけ学習することが大事です。
羅臼岳にはヒグマが暮らしています。
だからこそ、ルールを守り、自然を尊重して歩くことが大切です。
きちんとした熊対策と準備、それだけで登山を楽しめます。
そうして無事に下山できたら、それが一番の思い出になります。
登山開始から10時間。
私はきっとバスの前であなたに「無事に下山、お疲れさまでした。」と声を掛けます。
ほら早く、ウトロ温泉に行って体を温めましょう。
さあ、ウトロ温泉で冷えた体をゆっくり温めましょう。
熊鈴や熊スプレーは現地でも購入できますが、在庫が限られている場合があります。
特にハイシーズンは品切れになることもあるため、事前に準備しておくと安心です。
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👉知床は宿が少なく、特に夏・紅葉シーズンはすぐ満室になりますので、
早めの予約がおすすめです


