羅臼岳には2つの登山ルートがあります。
初めて登るなら、私は迷わず岩尾別温泉ルートをおすすめします。
羅臼岳は、標高1,661mで知床連山最高峰の山です。
登山初心者の方の中には「登ってみたいけど、ちょっと高いし大変そう。」「最後まで歩けるかな?」などと尻込みされている方も多いと思います。
でも、岩尾別温泉から登り始める岩尾別温泉ルートなら、きちんと準備をすると初心者でも挑戦できると人気の山です。
もちろん体力をつけることも大事です。
この記事では、羅臼岳の2つのルートや羅臼岳のトイレ情報。
岩尾別温泉ルートのコースについて途中見れる絶景や休憩ポイントなど詳しく紹介します。
👉 ▶羅臼岳登山初心者のための持ち物、駐車場、ベストシーズンはこちら
羅臼岳の登山口
羅臼岳の登山口には、羅臼温泉から登り始める羅臼温泉コースと、岩尾別温泉から登り始める岩尾別温泉コースがあります。
岩尾別温泉コースは、羅臼温泉コースより高低差が少なく、登山道も整備されているので道迷いも少ないです。
羅臼温泉コースは、登山解禁直後の7月は、まだ雪が深く登山道がわからなくなり、迷ってしまう方も多いです。
歩く距離も岩尾別温泉コースのほうが短いので、登山初心者の方にはこちらのコースをおすすめします。
ここまでは車で来る方が多いので、駐車場も心配だと思いますが駐車場は、登山口の「木下小屋」周辺に無料駐車スペースがあります。
羅臼岳岩尾別コースの登山ルートを詳しく紹介
登山口の「木下小屋」から山頂までのルートを順を追ってご紹介します。
出発前に重要なのは、トイレに行ってくること。
この後トイレは、ありませんから忘れずに済ませましょう。
次に登山口で、登山者名簿に記入します。
記入が終わったら設置されている箱に投函します。
熊の目撃情報なども貼ってありますので、必ずチェックしましょう。
ある有名な登山家は登山の前に「そこに山があるから。(イギリスの登山家
ジョージ・マロリー)」と言ったそうです。
初心者登山家だって「そこに山があるから。」と言ってみたい!
ワクワク・ドキドキの瞬間ですね。
きちんと靴ひもを引き締めて、
さあ、いよいよ登山の始まりです。
登山口~オホーツク展望台
登山口の「木下小屋」付近は、トド松の森です。
太くて大きな大木がうっそうと茂っていて、薄暗いところもあります。
整備された登山道は、つづら折りでちょっと急坂です。
40分ほど歩くと樹林帯を抜けます。
突然「大岩」と呼ばれる大きな岩が現れ、これを過ぎ尾根に出ると視界が一気に開けます。
ここが標高およそ600mのオホーツク海を見下ろせる展望スポット「オホーツク展望台」です。
オホーツク海の色は、深い青色です。
これは澄み切った青空の光を強く反射するためで、「オホーツクブルー」といわれる、オホーツク海独特の青さを堪能できます。
大きく伸びをして、北海道のすがすがしい空気を胸いっぱいに吸いましょう。
体がちょっと軽くなったら、次のポイントに出発です。
弥三吉水
「オホーツク展望台」からは尾根道を進みますが、クマザサやダケカンバに囲まれた道は、思わず熊鈴をジャラジャラ鳴らしたいような感じです。
この辺りにくると高山植物の可愛い花が見られるようになりました。
左手に硫黄山がちらちら見えるようになり、沢音が聞こえるようになってきたら、岩尾別コース最初の水場「弥三吉水(やさきちみず)」です。
「弥三吉水(やさきちみず)」は、昭和2年に北大山岳部に入部し季節を問わず何度も知床の山に登り、生涯知床の山と共に生きた木下弥三吉(きのしたやさきち)さんの名前に由来して付けられたそうです。
木下さんは、登山家としてだけではなく、知床連山の登山道を開拓したことでも知られていて、岩尾別登山口にあった山小屋も、木下さんの名前から「木下小屋」と付けられています。
登山口では「木下小屋」。
山を登ると「弥三吉水」。
苗字から名前へ。
木下さんが知床の山とともに歩んできた歴史を感じます。
「弥三吉水」には、広いスペースがあり休憩を取りながら、冷たい湧き水(煮沸推奨)を飲むことができます。
煮沸ですが、流れがあるので登山家の方々は、そのまま飲む方が多いそうです。
体もちょっと疲れたきたところで、まるでオアシスのような嬉しさを感じますね。
ゆっくり休みましょう。
北海道の山で水を飲むときには注意が必要です。
キタキツネなどから排泄されるエキノコックスの卵が、
人の口に入ると感染する病気があります。
水を飲む場合は、煮沸が推奨されています。
流水や湧水はエキノコックスが発見される例は極めて稀だそうですが
たまり水などは特に危険です。
キツネの顔はかわいいけどエキノコックスが心配です。
よく、キツネを見てルルルーと呼ぶ観光客の方がいますが、ルルルーではキツネは来ません。
絶対キツネには触れないでください。
銀冷水
「弥三吉水」を過ぎると頂上までは、後4.3Kmです。
平らな道を歩いていると羅臼岳の山頂がちょっと見えてきます。
また、つづら折りの登りが始まって500mほどで「銀冷水」です。
ここでもお水が湧いています。
この水は流れが弱すぎて、たまり水のような感じですから飲むときは必ず煮沸をしてください。
「銀冷水」には、この登山コースでただ一か所の携帯トイレブースが設置されています。
しっかりトイレを済ませ休憩を取ったら、元気に出発しましょう頂上は真近ですよ。
銀冷水からは再び緩やかな登りです。
後前方が開けてくると「大沢」です。
大沢は遅くまで雪渓登りが続く場所です。
8月半ば過ぎでも少し雪渓が残っていることがあります。
大沢は枯れた沢なので歩くのは露出した岩場、滑りやすいので足元注意です。
大沢の岩場を進み後ろを振り返ると、オホーツク海や知床五湖までも見ることができます。
でも、いくらお天気が良くてもオホーツク海が全く見えないことがあります。
それは、
知床は霧が多く海岸線の所だけ霧がかかることがあります。
山の上は晴天、ウトロや羅臼の海岸線の道路は、濃霧ということが良くあります。
大沢からは高山植物も増えてきます。
後ろに見えるオホーツク海と、どこまでも広がる高い空。
険しい岩場で苦しいはずなのに気持ちは晴れやかです。
岩場を過ぎると「羅臼平(らうすだいら)」です。
羅臼岳山頂の直下で、岩尾別温泉コースと羅臼温泉コース、硫黄山へ向かうルートの合流点です。
平坦なガレ場で約10張のテントを張ることができます。
ここまで来ると目の前に羅臼岳の山頂があります。
まるで「早くおいで~」と山頂が呼んでいるようです。
山頂
ここから前半はハイマツの平原を進みます。
羅臼平から20分ほどで岩壁から水がポトポト滴り落ちる水場があります。
コース最後の水場「石清水」です。
水場を過ぎると道もどんどん急になり、最後の山頂アタックになります。
3~5mある巨岩が積みあがったような斜面、山頂部に向けて大きな岩を何個も越えて登ります。
山頂は本当に岩場の先端です。
疲れた?
それよりも、達成感と爽快感で心がいっぱいです。
また登ろうね・・・うん。
羅臼岳岩尾別温泉ルート・コースタイム
◎距離: 片道 約7〜8 km(登山口の標高:約230m、山頂の標高:1661m)
◎区切りタイムの目安
・登山口 ➡(約3時間)➡ 弥三吉水・銀冷水
・銀冷水 ➡(約1時間)➡ 羅臼平
・羅臼平 ➡(約1時間)➡ 山頂(急登・巨岩帯)
◎時間
・登り: 約4〜5時間
・下り: 約3〜4時間
合計所要時間: 往復約7〜9時間(休憩含む)
羅臼岳トイレ事情
初心者が羅臼岳登山で一番心配なのは、途中のトイレ事情でしょう。
ここでは、登山コースのトイレ事情についてわかりやすく説明します。
携帯トイレ
羅臼岳のトイレは、登山口の「木下小屋」の前と「ホテル地の涯」の前トイレだけです。
世界自然遺産である知床の自然を守るため携帯トイレを持参・使用するルールになっています。
【斜里町内】
・ 木下小屋 ・ ホテル地の涯 ・ 知床自然センター
・ 知床五湖パークサービスセンター ・ 知床世界遺産センター
・ 道の駅うとろ・シリエトク ・ セイコーマート(ウトロ)
【羅臼町内】
・ 羅臼ビジターセンター
・ むらたスポーツ
・ ルサフィールドハウス
携帯トイレブース
携帯トイレブースが設置されているのは、「銀冷水」です。
この登山コースでただ1か所の携帯トイレブースです。
利用した携帯トイレはその場に置かないで、回収ボックスまで持っていきましょう。
【斜里町側】
・ 岩尾別登山口(ホテル地の涯駐車場)
・「木下小屋」前トイレ
・ 硫黄山登山口(道道沿い)
※ 無料回収
【羅臼町側】
・ 羅臼温泉登山口(羅臼温泉野営場)
※ 無料回収回収期間
6月中旬~10月中旬頃まで(硫黄山登山口、羅臼温泉登山口は6月中旬~9月まで)
初心者はガイドツアーもおすすめ
初めての時はガイドツアーという方法もあります。
羅臼岳は、雪渓があったり岩場があったり、時期によりアイゼンが必要になることもあります。
場所によっては迷いそうなところもありますが、ツアーに参加すれば、知床の山が初めての方でも、迷うことなく歩くことができます。
経験豊富なガイドの案内でより深く大自然を感じることができます。
羅臼岳登山当日の流れ
- 何時出発が理想
初心者の方は無理をしないで休憩時間なども多く見ます。普通、往復約7〜9時間ですが、初心者は10時間みたほうがいいでしょう。
日没前には下山している事を考えると4時半から5時には、出発しましょう。
ちょっと早いですがこの時間は、羅臼岳登山のラッシュタイムです。🦊地元メモ
登山30分前にコーヒーを飲むと筋肉の収縮をサポートし、
長時間の運動でも疲れを感じにくくする働きがあります。
疲労感が軽減しますのでうれしい効果です。
ただコーヒーには利尿効果もありますので飲む量に気を付けましょう。 - 登山届を書く
登山口で登山届を記入し設置されている箱に投函します。 - 熊鈴確認
熊鈴がきちんとついているか、しっかりと音が鳴るか確認しましょう。 - トイレ
登山を始めるとおよそ3時間後の銀冷水までトイレブースはありません。
「木下小屋」前にあるトイレでしっかり用を足しましょう。 - ストレッチ
体の様々な部分を使い、複数方向への動きを伴う「動的ストレッチ」がいいです。ラジオ体操の第一には腕を回したり、足腰を深く曲げたりする動作があるので、登山で使う筋肉をバランスよくほぐせます。
時間も短いので登山前にぴったりです。 - 出発
全ての準備が終わったらいよいよ出発です。
ほら、あなたを羅臼岳が呼んでいますよ。
無理はしないで、怪我をしないように楽しんで登ってね! - 山頂
大きな岩を登るのは苦しかったけど山頂に到着しました。
思わず「やったー」と叫びそう。
羅臼岳の山頂は絶景です。
360度ぐるっとどこを見ても感動するでしょう。
目の前には、知床の背骨と言われる知床連山が横たわります。
オホーツク海と太平洋を一度に見渡し、国後島までがはっきりと見えます。
「オホーツクブルー」の空と海・山々の深い緑に暗く濃い藍色の根室海峡は、神秘的な色合いです。
こんなに素敵な景色は、羅臼岳に登った人だけへのご褒美です。 - 下山
知床の雄大な風景を目に焼き付けしっかり休んだら、麓に向かって出発です。
登ってきたあの岩場や雪渓を今度は下っていきますから、滑りやすい所もたくさんあります。
走ったりせず気を付けて下山しましょう。 - 到着
やっとふもとに到着しました。
もうフラフラ、よく頑張ったわね。
- ストレッチ
登山の後は筋肉痛を予防するためのストレッチをしましょう。
下山後すぐに、ふくらはぎのリンパを流すようにさすったり、太ももの前や後ろなどの筋肉を伸ばす静的ストレッチがいいです。 - 登山後は温泉に入るのが岩尾別流。
登山の後に温泉に入ると血行が促進されて疲労物質の排出が促されます。
さらに、温熱・水圧作用による筋肉のコリや緊張の緩和されるので、後に痛みを残さないためにもぜひ入りたいですね。🦊秘境知床の宿 地の涯・休館中
秘境知床の宿 地の涯は現在全面改装工事ため休館中です。
リニューアルオープンは2027年4月末日予定
まとめ
羅臼岳に登るための準備はすべて整っています。
もう何度も何度もシミュレーションしました。
さあ、忘れ物がないかもう一度確認して、熊鈴を響かせながら羅臼岳を目指しましょう。
登りきったあとには、ぜひウトロ温泉で今日の疲れをゆっくり癒してください。
温泉に浸かりながら今日一日の登山を思い返す時間も、羅臼岳登山の楽しみの一つです。
「ふぅ〜」と一息つけば、きっとその景色は一生忘れられない思い出になるでしょう。
熊鈴や熊スプレーは現地でも購入できますが、在庫が限られている場合があります。
特にハイシーズンは品切れになることもあるため、事前に準備しておくと安心です。
👉熊鈴
▶「熊鈴」ランキング(楽天市場)
👉 熊スプレー
▶「熊スプレー」ランキング(楽天市場)
👉知床は宿が少なく、特に夏・紅葉シーズンはすぐ満室になりますので、
早めの予約がおすすめです


