「神威岬(かむいみさき)」は、積丹半島の北西端にある岬で「積丹岬」から南西10kmの地点にあります。
高さ80メートルの岬は日本海に突き出していて、特に景観が映しいことや女人禁制だったこと、夏になるとこの辺りで美味しいウニが獲れることなどで知られていて、特に夏は道内外からたくさんの人が訪れます。
「チャレンカの小道」といわれる遊歩道がありその美しい自然景観と共に、神秘的な伝説を秘めた場所です。
この「神威岬」周辺には、観光に便利なホテルや旅館も多いです。
「神威岬」からは太平洋の壮大な景色を一望できます。
特に夏には海の青さと青空のコントラストが美しく、冬には雪景色が幻想的です。
「チャレンカの小道」を歩き、岬の先端まで行けるので、自然を身近に感じながら景色を楽しむことができます。
こんな散策路を歩き「積丹ブルー」の海を見て、新鮮な空気を思いっきり吸うと心身ともにリフレッシュできますね。
「積丹ブルー」の海は、きっと北海道のいいお土産となるでしょう。
今回は、神威岬の特徴的な歴史や伝説、そしてその魅力的なグルメについてご紹介します。
また、観光に便利なおすすめホテル・旅館などもご紹介しますので参考にしてくださいね。
「神威岬」に長く続いた女人禁制
「神威岬(かむいみさき)」は、積丹半島の北東端にある「積丹岬(しゃこたんみさき)」と相対しています。
「神威岬」は、北海道檜山振興局にある「茂津多岬」北海道石狩市にある「雄冬岬」と並び、かつては西蝦夷三険岬の総称で恐れられた航海の難所でした。
アイヌの人々が「カムイ(神)」の名で呼んだ神威岬には脅威が棲まい、和人の船もこの沖を通過するときは帆を下ろし、御幣を捧げて祈ることが通例であったといいます。
古く続いた女人禁制の時代を経て、高さ80メートルの海蝕崖が続き、その沖には海蝕による岩礁がさまざまな奇岩を見せるこの岬は、今では見る人の目を魅了し続けているのです。
神威岩
「神威岬」の先端に立つと400メートの沖合に「神威岩(オカムイ様)」と呼ばれる岩があります。
「積丹ブルー」と呼ばれる美しい青い海の中にそそり立つ奇岩です。
江差追分では、「未練あるのかオカムイ様よ、なぜに女(おなご)の足止める」「蝦夷地海路にオカムイなくば」などとうたわれています。
「江差追分」にある歌は、愛しい男性と別れなければならない女性の切ない気持ちを歌ったものともいわれています。
この自然の造りだした奇跡のような岩には、女人禁制にまつわる不思議な伝説が残されているのです。
女人禁制はなぜ?
この「神威岬」は、女人禁制の地として知られます。
その歴史は、元禄4年(1691年)から安政3年(1856年)まで、松前藩によって神威岬以北への婦女子の通行が禁止されたのです。
実に165年もの間、女性は「神威岬」の突端には行けなかったのです。
その理由は?
神威岩に残る「チャレンカ」の悲しい伝説によるものともいわれていますが、和人がこれ以上奥地まで広がっては困るという思惑や、和人の人口増加によるアイヌ民族との摩擦を避けるためだともいわれています。
この政策がいつしか、女性が乗った舟が岬を越えると沈むという呪いの伝説を生み出したのですね。
遊歩道「チャレンカの小道」
大海原へとにせり出した「神威岬」の先端までは、女人禁制の門から約770mです。
両側に日本海の雄大な眺めが広がる遊歩道「チャレンカの小道」をたどっていきます。
20分ほどで周囲300度の丸みを帯びた水平線を見ることができる展望台に到着します。
岬は、いつも強風が吹いていると思ったほうがいいでしょう。
羽織るものを忘れないでね。
この辺りも初夏のエゾカンゾウが見事に咲き誇ります。
神威岬入り口にはゲートがあり、時期により開閉時間が変わります。
神威岬は遊歩道の先端まで往復40分程かかりますので、閉門時間を確認して歩いてください。
「神威岬」に残るチャレンカの伝説
源義経は平泉で自害したといわれていますが、実は生き延びて北へ逃れ、津軽から蝦夷地に渡ったという伝説が今道内のいたるところに残されています。
「神威岬」の伝説もこの義経にまつわるものです。
蝦夷に渡った義経主従は、平取(びらとり)のアイヌの酋長の家に身を寄せました。
その酋長の娘である「チャレンカ」は義経と恋に落ち、将来を誓い合うのでした。
しかし義経は蝦夷に留まる意思はなく、遙か彼方の中国大陸を目指して新たな旅に出ようとしていました。
そこで義経はチャレンカに黙って平取を去り、積丹半島へと移動したのです。
チャレンカは義経がいないことに気付くと、その後を追って積丹半島へ向かいました。
そしてようやく神威岬にまでたどり着ましたが、義経一行は既にそこから船に乗って中国大陸へと旅立ってしまったのです。
それを聞いたチャレンカは泣き崩れると、もはや平取に戻ることもなく、そのまま神威岬の突端から身を投げました。
チャレンカの義経に対する愛情は、激しい嫉妬の執念となってしまいました。
和人の船が婦人を乗せてここを通ったなら、たちまち覆沈(ふくちん)させてやる」
と嫉妬の言葉を吐いたアイヌメノコの呪いにより、以来この海は女人を近づけぬ海になったのです。
この岬を女性を乗せた船が通りかかると、海が荒れて船そのものを転覆させるという伝説が広まりました。
そのため、この岬一帯は女人禁制の地とされるようになったのです。
駐車場から遊歩道「チャレンカの小道」に入る入口には、古めかしい門があります。
これが、女人立ち入りを禁止として設けられた門でです。
また同様に和人を乗せた船もこの近くを通ると転覆すると言われていました。
いずれもチャレンカが死の間際に叫んだ呪いの言葉によるものとされています。
その後1800年代になって幕吏(ばくり)松浦 武四郎は「蝦夷地に女人禁制がはびこるうちは、開拓はおぼつかない」として迷信を打ち破ろうとはかったが、お神威(おかむい)の霊験を恐れ身を震わすばかりでした。
安政3年(1856年)函館奉行の梨本 弥五郎は、妻と下僕を連れて宗谷へ赴任の途中に、神威岬に差し掛かるや「世の迷夢(めいむ)よ。長い闇から目覚めよ」と岬に向け銃弾を撃ち込みました。
この一発の銃声が長年の迷夢をやぶりやがて婦女子も少しずつ奥地へ入り込むようになったのです。
チャレンカの遺体は石と化し、それが神威岩が出来た由来であるとされています。
「神威岬」のウニ
神威岬周辺を訪れるとあちこちに「ウニ丼」と書かれた旗がなびいています。
積丹半島の周辺は、新鮮な海の幸が豊富で特にウニが有名です。
積丹半島は「積丹ブルー」と呼ばれる透き通った青い海が特徴で、この海域で育つウニは非常に質が高いとされています。
積丹のウニのシーズンは6月~8月ですが、ウニ漁が行われる3ヶ月間には、ウニ丼を求めて大勢の人がやってきます。
積丹半島のウニはそのクリーミーで甘みの強い味わいで知られており、訪れる人々にとっては一度は味わっておきたい一品です。
ウニは昆布を食べて育ちますが、積丹のウニは粘りの強い細目昆布を食べて育ちます。
とれたウニは、積丹町内で水揚げされ、その全てが町内で消費されますから、積丹に足を運ばないと食べれません。
北海道で採れるウニは、キタムラサキウニ、ムラサキウニ、バフンウニ、エゾバフンウニの4種類が捕れます。
積丹でうに丼を注文するとき、ほとんどの店で「赤」「白」「紅白」「二色丼」と注文します。
これは、ウニの身の色を指したものです。
身の色が鮮やかで赤っぽいとげの短いバフンウニのことを赤。
身の色が白っぽいとげの長い紫ウニのことを白と呼んでいます。
この両方を入れたものが、紅白とか二色丼と呼ばれます。
いっぺんに両方のウニの味を比べられるんですから贅沢ですね。
バフンウニと紫ウニを比べると紫ウニのほうがたくさん捕れますから赤のほうが断然値段も高いです。
神威岬の近くには、ウニ丼が売りのお店がたくさんあります。
中にはウニ丼しかないお店もあります。
「食堂 うしお」「お食事処 さわ」「お食事処 みさき」や「食事処 うろこ」
「食堂 海のや」「漁師の店 中村屋」「お食事処 鱗晃」などたくさんのうに丼のお店があります。
好みのお店が見つかるといいですね。
「神威岬」周辺のおすすめホテル
「神威岬」の周辺には、海鮮料理を楽しめる素敵な旅館があります。
おすすめのお宿をご紹介しますね。
お宿 かさい
この「お宿 かさい」は、素材にこだわったお食事を楽しんでいただく旅館です。
といいながらもお部屋もお風呂も掃除が行き届いていて気持ちがいいです。
この旅館の総合評価は「4.67」です。( 評価詳細は こちら>> )
特に食事の評価が高いです。
積丹のウニやアワビが有名で、食事を楽しみたい人におすすめです。
食べきれないといわれるお食事の写真はこちらです。
旅館 美国観光ハウス
この「旅館 美国観光ハウス」は、積丹の季節に合わせた魚介類を丁寧なお料理で味わうことが出来ます。
積丹ブルーの海では、いろいろなお魚が捕れますので楽しみですね。
この旅館の総合評価は「4.50」です。( 評価詳細は こちら>> )
お食事が美味しいと人気ですが、シンプルだけどこじゃれたお部屋も人気です。
お部屋の様子はこちらからご覧ください。
旅館 北海 <北海道積丹郡>
この「旅館 北海 <北海道積丹郡>」は、目の前に積丹ブルーの日本海が広がる好立地にあります。
海辺でお散歩を楽しみ主人が自ら水揚げした四季折々の旬な海産物を味わえます。
この旅館の総合評価は「5.00」です。( 評価詳細は こちら>> )
車で5〜10分のところには温泉施設「岬の湯しゃこたん」があります。
露天風呂からは大海原が広がり、絶景を楽しみながら入れます!
「神威岬」のまとめ
神威岬(かむいみさき)は、積丹半島の北西端に位置し、高さ80メートルの断崖から日本海を望む壮大な景観が特徴です。
かつては「女人禁制」の地として知られ、特に夏には新鮮なウニが楽しめることで人気です。
遊歩道「チャレンカの小道」を歩けば、美しい「積丹ブルー」の海と自然の景観を堪能でき、神秘的な伝説も体験できます。
伝説によれば、義経と恋に落ちたアイヌの娘チャレンカが失恋の末に自殺し、その呪いが女人禁制を生んだとされています。
現在では観光に便利なホテルも多く、岬の美しさと歴史的背景を楽しむことができます。
積丹半島の周辺は、新鮮な海の幸が豊富で特にウニが有名です。
積丹半島は「積丹ブルー」と呼ばれる透き通った青い海が特徴で、この海域で育つウニは非常に質が高いとされています。
身の色が鮮やかで赤っぽいとげの短いバフンウニのことを赤。
身の色が白っぽいとげの長い紫ウニのことを白と呼んでいます。
この両方を入れたものが、紅白とか二色丼と呼ばれます。
いっぺんに両方のウニの味を比べられるんですから贅沢ですね。
お店もたくさんあるので好みのお店が見つかるといいですね。
その神威岬のことと周辺のおすすめホテル情報をご紹介しました。
神威岬を訪れる際には、遊歩道「チャレンカの小道」を歩き神威岬の突端まで行ってください。
積丹ブルーの海に海平線。
他では味わえないここだけの景観が皆さんの目に飛び込んできます。
ぜひ神威岬を堪能してくださいね!