
洞爺湖温泉と定山渓温泉を結ぶ中山峠をご案内いたします。
洞爺湖から中山峠頂上までは58㎞あまり1時間ほどの行程です。
中山峠の頂上には、道の駅がありここで売られている「あげいも」は、名物でお休みの日には列を作って買う方の姿が見られます。
また、お天気がいいときれいな蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山を間近に見ることができます。
途中は、ジャガイモの産地の留寿都村、アスパラの産地の喜茂別町を通ります。
左右に広がる、アスパラの畑、ジャガイモの畑などを見ながらのコースです。
留寿都村
この附近は、北に尻別岳、西に羊蹄山、南は貫別岳など、四方が山に囲まれた、標高三七三メートルの高原地帯です。
留寿都(るすつ)とは、アイヌ語の「ルシュプキ」で″けわしい葦原の道″という意味です。
このあたりに開拓の鍬が入れられたのは、明治も中ばになってからで現在の虻国町から分れ真狩村となり、後に留寿都と改称されています。
明治22年、橋本文蔵さんが北海道でアメリカ式大農場の経営を始めたということです。
この街の産業は、農業が中心で、色々な作物が生産されておりますが、特に紅丸イモが有名です。
喜茂別町
喜茂別(きもべつ)とは、アイヌ語で「キムオベツ」から訛ったもので″山奥の川″という意味です。
馬鈴薯とアスバラガスの産地として知られております。
昔、岩内方面が不漁だった時、大勢の漁師の人々がこの土地にイモ造りに出稼ぎにきたものだといわれたほどで、占い歴史を持っているのです。
留寿都・喜茂別の特産物
紅丸イモ

おイモと聞いただけでも、何んとなくほほえましいですね。
この留寿都から喜茂別にかけては北海道でも指折りのおイモの産地です。
このあたりで作られているおイモは、主に紅丸と呼ばれる品種で、表面か紅く大変澱粉質が多いおイモです。
北海道では長い間、おイモの改良に力を入れておりますが、この紅九イモは昭和8年(1933年)北海道農事試験場が試験中だったイモで、試験番号三〇九号と呼ばれていたものです。
この地で農業を経営していた増田さんという方が5、6粒の種いもをもらい試作したところ、突然変異か素晴らしい紅いイモができ、その後、優良品種に指定され″紅丸″と命名されたとのことでございます。
アスパラガス

皆様おなしみのクレードルマークのアスパラガス缶詰は、この喜茂別の工場で生産されています。
この山麓の6つの町村から集めたアスパラガスを処理し、その品質は世界でも一級品のレベルを誇っています。
美しいゾ富士と呼ばれる羊蹄山の山麓は、北海道でも最も積雪量の多い高原地帯で、アスパラガスの栽培に適し、繊維質がきわめて少なく香りも高く、原産地であるウクライナ地方の高原地帯と同じように最適地といわれております。
アスバラガスの缶詰原料は、ホワイトアスパラでなければ喜ばれませんので、雪どけの後、芽の出ないうちに土を高く盛り上げます。
太陽の光線にさらさないように、毎日、朝、昼、夕方と三回堀って、長さ20センチほどに切り取り、工場に送られるのです。
アスハラガスは、苗木を畑に移植してから2年間は株の育成期間として育てられ、3年目から採取
するのですが、本格的に良い品種として収穫されるのは5年日からのことでその後14、5年は、採取することができます。
クレードル・アスパラガスは、この恵まれた自然条件の中で合理的な工場設備と独特の優れた技術によって製造されています。
もちろん太陽の光を一杯当て育てられたグリーンアスパラの栽培も盛んで、アスパラの季節には地元の農産物販売所で売られそれを求めて道内各地からお客様がやってきます。
羊蹄山

美しい羊諦山が見えています。
後志高原に立っているこの山、美しく、形もよく、別名、エゾ富士の名に恥しない富士山そっくりの山で、北海道の名山として知られています。
標高標高1,898mの成層火山(中心火口から噴出した溶岩流と火山砕屑物 (さいせつぶつ) が交互に積み重なってできた円錐形の火山)です。
現在、噴気活動は認められず有史以降記録に残る火山活動はありません。
三条実美卿は、
〝東路の富士の姿に似たるかな
雲にそびゆる後志の山〟
と詠っております。
昔、アイヌの人達は、この山を「マッカリヌプリ」″川がとりまいている山″と呼んでいました。
これは、尻別川の流れが麓から山をほとんど一周して流れている事から、名付けられたのです。
羊蹄山の南東にある尻別岳 (1,107m) を「ピンネシリ(雄山)」と呼んでいました。
羊蹄山は展望も優れ、高山植物の豊富なことも世界的で、高山帯の木のない所全部が天然記念物として大切に保護されています。
この山は、昆布岳、 ニセコアンヌプリ、尻別岳など、胆振と後志管内の境界の連山に囲まれた火山で、登山に一番近いのは、函館本線の比羅夫駅からです。
駅から麓まで1時間、麓から頂上まではだいたい4時間かかります。
左の方にすそを引いている山は、標高1,107メートルの尻別岳です。
北西の麓に火山活動で生じた火口湖半月湖があります。
火口の中に火口径より小さい溶岩ドームが形成されそこに水がたまり湖になりました。
半月形をしている所からこの名が付けられました。
面積1.3平方キロメートルと小さめの湖で、周囲には原生林が生い茂り半月湖周辺から登山道周辺の植物群落が「後方羊蹄山の高山植物帯」として国の天然記念物に指定されています。
中山峠頂上

中山峠の頂上は、後志管内と石狩管内の境界になっていて、標高836メ―トルあります。
延々と果しなく続く樹海、その上を波のように連なる山々が見えます。
頂上には道の駅望羊中山があり、名物あげいもは有名です。
その駐車場には喜茂別町名物のアスパラガスの塔、アスパラの党の横には、現如上人(大谷光螢)の銅像も建っています。
道の駅の裏手には中山スキー場があります。
スノーパウダーで有名なニセコも近くもちろん上質な雪質。
雪の多いところですからゲレンデオープンの早さは、道内でもトップクラス。
春スキーもでき毎年5月の連休頃が滑り納めになります。
この中山峠頂上までが喜茂別町駐車場を出て峠を下りかけると札幌市に入ります。
あげいも
洞爺湖の帰りに中山峠であげいも!🥔 pic.twitter.com/BmQvw7QskZ
— recover (@sbsbhk) June 1, 2023
中山峠に来たなら絶対あげいも食べないとダメでしょ!
あげいもを注文するとアッツ熱のあげいもが串に3個刺さって登場。
これがまた結構なボリュウムで一人で全部食べるもよし、家族で分け合うもよし!
このあげいもがやん上したのは、昭和43年(1968年)に誕生、もう50年以上も続く味です。
忙しい時には、1日に1万2千個以上を作り続けるほどの売れ行きその美味しさのほどが分かりますね。
羊蹄山麓の男爵イモを砂糖と塩で地下水で茹でます。
そのいもに衣をつけてあげますが、これも連係プレーで衣をつける係、均等に揚げる係、串に刺す係の3人で手際よく完成します。
じゃがいも1万2千個というと4000串ですから連係プレーの無駄のなさがポイントですね。
是非皆さんも中山峠に立ち寄った時には、食べてみてください。
現如上人(げんにょしょうにん)の像
この中山峠には、現如上人(大谷光螢)の銅像がございます。
現如上人は、明治3年北海道に渡り、札幌の山鼻に東本願寺別院を
建て布教につとめ、札幌から中山峠、虻日本願寺道路を開削した功労者です。
この像は、昭和42年10月、850万円の工費で建てられたもので、4メートルの御影石でできた台座の上には、上人の像が立っています。
アスパラガスの塔

喜茂別町は、昭和4年(1929年)日本で初めてアスパラの生産が始まった町といわれています。
平成2年(1990年)全国の市町村に1億円ずつ交付して話題になった「ふるさと創生資金」のうち1千万円を使って立てられました。
太さはいずれも直径21.6センチで、ステンレス製で、3本の高さが10メートル、9メートル、8メートルとなっています。

ゆめ
皆様お疲れ様でございます。
今回は、洞爺湖を出発、途中、留寿都村、喜茂別町を通り、見え隠れする蝦夷富士羊蹄山、アスパラの畑、ジャガイモの畑などをご覧いただきながら1時間余りのコースでした。
いかがでしたでしょうか?
名残は尽きませんが、そろそろお別れのお時間となります。
お忘れ物がございませんようにご注意ください。
また、元気にお会いできる事を楽しみにしております。
それではその時まで、したっけね~


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