


皆様、おはようございます。
本日は、オロフレ峠旧道をご案内いたします。
壮瞥町、黄渓(おうけい)から旧道に入り途中、岳カンバの疎林(そりん)、熊笹の丘をご覧いただきながら山頂。オロフレ峠展望台へと向かうコースです。
さて、そろそろ出発のお時間でございます。
皆様、お忘れ物はございませんか?
準備が出来ましたらに向かってバスを進めてまいります。
発車オーライ!!
オロフレ峠旧道入口・黄渓(おうけい)

昔、硫黄鉱山があり大きな集落があった壮瞥町、黄渓(おうけい)から、いよいよバスはオロフレ峠の旧道を進めてまいります。
オロフレ峠は、北海道でも屈指の難所といわれていました。
舗装もされたいないガタガタ道、バスがすれ違う時は、崖から落ちるんじゃないかと思うくらいの細い道でがけ側のお客様がキャーキャー叫び声をあげていました。
つづら折りのカーブが続き、まるで日光のいろは坂のようですね!なんて案内していました。
でもこの難所の峠は、バスが連なって頂上を目指す観光道路だったんです。
それは、頂上からの展望のすばらしさ、北海道を知っていただくためには、外すことのできない風景。まさに、手の付けられていない大自然をご覧いただけるからです。
一番の難所部分にオロフレトンネルができ快適なドライブコースと生まれ変わりました。
岳カンバの疎林
エゾ松、トド松の老木の中に鹿の角を思わせる木は、岳カンバでございます。
シラカンバよりも山岳のずっと高いところに生える木ですが、特に北海道の岳カンバは、山岳の自然に耐えるかのようにごつごつとした感じで木の幹や枝が曲がりくねっています。
森のレディー、森の住人などと、多くの詩人に愛されているシラカバとは、同じカバノキ科に属するものですが、異った印象を与えております。
白樺を女性に例えますならば、岳カンバはたくましい男性美を象徴しているように、荒くゴツゴツした木肌を見せております。
静かな晩秋の日、紅葉で染めわける森林のコントラストは、すばらしいものですし、真冬のよく晴れた日など、あたりのきびしい山々と対照的に岳カンバの林の中の日ざしはやわらかく、本の間を通り抜けてきた光が、白っぽい幹の木々に散って、やさしく包んでくれるのです。
熊笹の丘

オロフレ峠の道は、北国ならではの荒涼とした感じがいたします。
このような原野があればこそ、洞爺湖の良さも一層引きたっているのかも知れません。
北海道へおいでの観光客の皆様は、どなたもササの多いことに驚かれるようです。
ササは日本各地で見ることができますが、その種類も非常に多いといわれ、数百種類といわれております。
本州で良く言われる、クマザサは「隈笹」と書き葉の周りが白く隈撮りされたものです。
北海道では、松前で少し自生しているだけです。
私たちは、笹を見ると熊笹と呼んでいますが、動物の熊という字を書く、熊笹は植物学上にはない名前です。
北海道に多いササは、チシマザサと呼ばれる北方系のもので、この笹は、日本以外にカラフト、千島、朝鮮半島の一部に産するだけといわれ、この附近では、標高1000メートル前後の山地は、山の斜面を埋め尽くすほどの大群落をつくることが多いです。
このチシマザサは、基部が弓状に曲がっているので、根曲り竹とも呼ばれ、高さ1~3メートル、太さ1~2㎝になり太いものは豆類の手柴などに利用されております。
ではなぜ熊笹と呼ぶのか?
チシマザサは、葉が9枚あるところからク(9)マイザサといわれていたのが、訛って熊笹になったとか、熊が好んで食べるからなどいわれていますが、このうっそうとした笹薮から、今にも熊が顔を出しそうな気がしますので熊笹という呼び方はピッタリだと思います。
辺り一面美しいササの丘が続いております。
ササは古くから竹と同じように、梅、松とともにお目出たい時に利用され、家紋や紋章などに使わております。
夏目漱石の小説「坊ちゃん」の中では、清が、越後の笹飴を笹ぐるみ、ムシャムンャ食べている。
「笹は毒だからよしたらよかろう」と、 いうと「いいえ、この笹がお薬でございます」といってうまそうに食べている。
と、出ているように、お寿司をはじめ、料理などに利用され、その防腐性が認められております。
また、笹の葉はリンパ液の流れを良くし、解毒作用があるといわれれています。
オロフレ峠展望台

オロフレ峠展望台は、標高1,000メートル、壮瞥町と登別市の境界でございます。
1988年(昭和63年)10月8日、峠下方にオロフレトンネル(全長935m)が開通して登別側の道路は、通行できなくなったため今この峠に上るのは、壮瞥川から登り往復するしかございません。
標高約1,000メートルの高い所にあるため、天候の変化が激しくあまり晴れることがなく、深い霧でおおわれ、道南随一といわれる大観望をごらんいただけないこともしばしばでございます。
それだけに晴れた日の眺めは、すばらしいものでございます。
大観望とも呼ばれる展望台からは、正面に、エゾ富士と呼ばれる羊蹄山が雲の上から顔を出し、昭和新山、有珠山を眺めながら、中の島をいだく名鏡洞爺湖の姿は、すばらしい″の一言につきるのでございます。
また、良く晴れた日には、遠く大平洋も眺めることができます。
6、7月には、可憐な高山植物が附近の絶壁に咲き乱れ、特に紅ツツジが咲く頃は、大変みごとなものです。

そして、反対側に目を移しますと、通ってまいりました、オロフレ観光道路がつづら折りになって見ることができ、峠の高さが実感として受取ることができます。
さらに、遠くに周囲八キロのクッタラ湖が山間を通して、静かに微笑かけております。
オロフレ峠の新道は、こちらの記事をお読みください。

旧道を見てちょっと昔を思い出しました。
本当に昔は、凄い悪路でガタガタバスを大きくよらして走ってました。
ある時、ちょっと耳を疑うようなうわさが入ってきました。
その頃のバスは、運転席の横に補助いすがついていて休憩の時には、ガイドがそこに座りました。
普通オロフレ峠で休憩をとるガイドはあまりいないと思っていましたが、中にはいたんですね。
それも、この悪路の中で居眠りをしていたらしくバスがバウンドした瞬間に、乗降口に落ちてしまったとか。
運転手さんは、バスを止めるわけにもいかず頂上までそのままいったとか。
嘘か本当かまことしやかに噂されていました。
オロフレ岳
岩肌の出た断崖絶壁、赤い山肌を見せておりますのが、標高1、230メートルのオロフレ岳です。
オロフレとは、アイヌ語で「川中を赤くする、肌が赤い山」という意味で、山肌と近くに流れる川が鉄分を含んでいるため、赤く見えることから呼んだものと思われます。
オロフレ岳の登山は、この展望台から1時間30分ほどで、奇岩、絶壁、高山植物が多く、高山特有の樹林をぬって景色の変化など、スリルを味わいながら登山を楽しむことができます。
高山植物は、雪どけを待ちかねたように、岩梅、深山桜が咲き、ガンコーラン、コケモモ、チシマフーロー、ミヤマキンバイなど、数多くの可憐な花々が咲き乱れ、 一面お花畠ができあがるのです。

ゆめ
皆様お疲れ様でございます。
今回は、オロフレ峠旧道をご案内いたしました。
いかがでしたでしょうか?
展望台に立って周りを見ると、旧道の険しさも垣間見え、その展望は見事なものです。
時間がございましたら是非足を延ばしてご覧ください。
そろそろお別れのお時間となります。
お忘れ物がございませんようにご注意ください。
また、元気にお会いできる事を楽しみにしております。
それではその時まで、したっけね~


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