支笏洞爺国立公園(しこつとうや こくりつこうえん)は、北海道西南部にあり札幌・千歳・恵庭・苫小牧・登別・伊達6市と胆振(いぶり)・後志(しりべし)両地域にまたがりその面積およそ10万ヘクタールという大きな国立公園です。
開拓がはじめられた明治の初めころから、周辺にある札幌をはじめ小樽、室蘭、苫小牧などが主要都市として発展しました。
この公園は至近距離にあるにもかかわらず、昔のままの姿で豊かな自然と原始林に囲まれた特異な公園です。
大きく分けまると支笏湖エリア・定山渓エリア・洞爺湖エリア・羊蹄山エリア・登別エリアと5つのエリアに分かれていて、それぞれ趣の違った景観を楽しむことができます。
★の数(総合): 5.00
★の数(総合): 4.44
国立公園国立の指定を受けたのは、昭和24年(1949年)5月16日で、日本で14番目に指定された国立公園で大雪山、阿寒、知床、利尻礼文とともに北海道を代表する公園の一つです。
公園の中には、支笏湖・洞爺湖の二大カルデラ湖を中心に、クッタラ湖、オコタンペ湖などの湖。
周りには、樽前山、恵庭岳、有珠山、昭和新山などの活火山が多数あり、北海道で有数の温泉地も点在しています。
今回は、支笏洞爺国立公園内にある湖・火山・温泉湯についてご紹介します。
支笏洞爺国立公園にある湖
支笏洞爺国立公園にある湖の中心は、カルデラ湖の支笏湖・洞爺湖です。
ともに火山性のカルデラ湖で、この2つの湖のほかにも趣の違う湖がありますので紹介します。
支笏湖
雄大な風景を誇る「支笏湖(しこつこ)」です。
およそ4万年前に支笏火山の噴火の時にできた陥没地に、長い年月をかけ水が溜まりできた湖が「支笏湖」で、このような出来方の湖を火山性カルデラ湖といいます。
周囲およそ40キロ、深さ約360メートルで国内では、秋田県の田沢湖に次いで2番目の深さを誇る湖です。
「支笏湖」は、冬でも凍らない不凍湖で不凍湖としては日本最北の湖です。
アイヌの人たちは、「シ・コッ」(大きな窪地)と呼んでいました。
これに漢字を当てはめたときに、死骨という字だったそうで「しにんのほね」では縁起が悪いと今の「支笏湖」という感じが当てはめられました。
洞爺湖
「洞爺湖(とうやこ)」は、支笏湖とともに支笏洞爺国立公園の中心となる湖で、周囲43㎞、水面標高83メートル、湖の深さは183メートルで支笏湖、摩周湖に次いで北海道では3番目、全国でも6番目の深さがあります。
中央には4つの中の島が浮き、上から見ますと丁度ドーナツのような丸い形をした湖です。
この湖は、今から11万年余り前に羊蹄山が噴火したときに陥没してできた陥没地に水が溜まってできた火山性カルデラ湖です。
湖の中央に溶岩円頂丘として中の島ができたものと考えられております。
この湖も「支笏湖」ともに冬でも凍らない不凍湖です。
洞爺湖については、こちらの記事をご覧ください
クッタラ湖
原生林の中に、ひっそりと眠るこの湖は「クッタラ湖」です。
登別温泉の奥にある「クッタラ湖」は、標高280メートルの所にある典型的なカルデラ湖で、「倶多楽(くったら)」火山の噴火活動で出来た湖です。
周囲8㎞水深146mのまあるい形・空の上から見るとまん丸の湖です。
漢字で書くと倶多楽湖(くったらこ)と書きますが書くのも難しいし読むのも難しいためか、カタカナやひらがなで書かれていることが多いです。
オコタンペ湖
支笏洞爺国立公園を包む原始林は、エゾ松、トド松の針葉樹を主体に、ナラ、イタヤ、白樺、岳カンバなどの広葉樹を交えた天然林に覆われています。
そんな森林の奥深く支笏湖の間近に「オコタンペ湖」があります。
阿寒湖近くのオンネトー、然別湖近くの東雲湖と並び、北海道三大秘湖と呼ばれる神秘の湖の一つがこのオコタンペ湖です。
鬱蒼と繁る原生林に抱かれたこの湖は、天候や見る角度・時間によって、湖水の色がエメラルドグリーンやコバルトブルーなどに変化して見える不思議な湖です。
恵庭岳の西山麓にあり周囲5キロ、深さ21.1メートルのせきとめ湖です。
オコタンペ湖を見るのには、道道78号線側にある展望台からしか見ることができないのでその美しさがいつまでも保たれているのでしょう。
支笏洞爺国立公園内にある火山
この地域は、本州の東北地方から続く那須火山帯に含まれ、火山の展覧会場ともいわれるほど、色々な火山活動があります。
特別天然記念物の昭和新山、山頂に珍しいドームを持つ樽前山、蝦夷富士(えぞふじ)とも呼ばれる美しい姿の羊蹄山などの山の数々、平成21年(2009年)には、世界的に貴重な地質遺産として、洞爺湖有珠山ジオパークが日本で初めて「世界ジオパーク」に認定され、ますます注目を集めています。
樽前山
山頂に珍しいドームを持つ「樽前山(たるまえさん)」は、標高1,041メートルの三重式活火山です。
苫小牧市の国道36号線から見える山で、市内から七合目までは車で行くことができ、七合目から頂上まで徒歩で約50分で登ることができます。
樽前山が活動を開始した時期は約9000年前といわれていますが、明治42年(1909年)4月17~19日にあった噴火で、山頂にあの特徴的な溶岩ドームが形成されました。
ドームからは今でも白煙を上げています。
樽前山熔岩円頂丘として、北海道指定文化財の天然記念物に指定されています。
風不死岳
樽前山と隣接する「風不死岳 (ふっぷしだけ)」は、樽前山とは対照的に険しい円錐形で深い谷を刻み、頂上は樹林に覆われた標高1,102メートルの山です。
山麓には幅が狭くて深い峡谷がいくつもあり、そのひとつが観光スポットとして知られた苔の洞門です。
アイヌ語の「フプ・ウシ」「フップ・ウシ」「フプシ」から「風不死岳(ふっぷし)」と名付けられました。
恵庭岳
「恵庭岳(えにわだけ)」は、支笏湖を挟んで、樽前山・風不死岳の対岸にあります。
標高は1,320 メートルで、約4万年前あった巨大噴火によって現在の支笏湖をとり囲む支笏カルデラが形成されました。
風不死岳、恵庭岳、樽前山の順に噴火活動が開始されたのです。
山名はアイヌ語の「エエンイワ」(頭が・尖っている・山)から付けられた名前です。
恵庭岳周辺には金の熱水鉱脈があって、以前は恵庭鉱山・光竜鉱山、千歳鉱山の採掘所がありましたがいずれも閉山しています。
支笏洞爺国立公園にある温泉
支笏洞爺国立公園内には、泉質、湯量の豊富さは、東洋一といわれる登別温泉をはじめ、定山渓、洞爺湖(とおやこ)、支笏湖温泉、丸駒(まるこま)、カルルス、北湯沢などそれぞれ泉質や効能も異なる温泉郷も数多くあります。
その中から代表的な温泉地登別温泉と洞爺湖温泉を紹介します。
登別温泉
「登別温泉」は、東洋一の温泉郷、温泉のパラダイスといわれるほどの温泉地です。
9種類の温泉が湧出する道内屈指の温泉郷で、毎年数多くの方が訪れ温泉を楽しんでいます。
登別温泉について詳しくは、こちらをご覧ください。
★の数(総合): 4.59
洞爺湖温泉
洞爺湖の南側の湖畔にある温泉街は、ホテルや旅館の数も多くお土産屋さんや足湯などがありとても賑やかな温泉街です。
山側には、今なお噴煙たなびく有珠山(うすざん)や昭和新山(しょうわしんざん)などの活火山が続き、「洞爺湖サミット」が行われたり、洞爺湖有珠山ジオパークが「世界ジオパーク」の認定を受けるなど活気あふれた温泉街です。
洞爺湖温泉について詳しくはこちらをご覧ください。
★の数(総合): 4.62
★の数(総合): 4.59
支笏洞爺国立公園のまとめ
支笏洞爺国立公園は、北海道西南部にあり札幌・千歳・恵庭・苫小牧・登別・伊達6市と胆振(いぶり)・後志(しりべし)両地域にまたがり、その面積およそ10万ヘクタールという大きな国立公園です。
周辺にある札幌をはじめ小樽、室蘭、苫小牧などが主要都市が近いのにもかかわらず、昔のままの姿で豊かな自然と原始林に囲まれた特異な公園です。
大きく分けまると支笏湖エリア・定山渓エリア・洞爺湖エリア・羊蹄山エリア・登別エリアと5つのエリアに分かれていて、それぞれ趣の違った景観を楽しむことができます。
国立公園国立の指定を受けたのは、昭和24年(1949年)5月16日で、日本で14番目に指定された国立公園で大雪山、阿寒、知床、利尻礼文とともに北海道を代表する公園の一つです。
公園の中には、支笏湖・洞爺湖の二大カルデラ湖を中心に、クッタラ湖、オコタンペ湖などの湖。
周りには、樽前山、恵庭岳、有珠山、昭和新山などの活火山が多数あり、北海道で有数の温泉地も点在しています。
「支笏湖(しこつこ)」
札幌市と苫小牧市の間にある湖で、およそ4万年前に支笏火山の噴火の時にできた陥没地に、長い年月をかけ水が溜まりできた、火山性カルデラ湖です。
周囲およそ40キロ、深さ約360メートルで国内では、秋田県の田沢湖に次いで2番目の深さを誇る湖です。
「支笏湖」は、冬でも凍らない不凍湖で不凍湖としては日本最北の湖です。
アイヌの人たちは、「シ・コッ」(大きな窪地)と呼んでいました。
これに漢字を当てはめたときに、死骨という字だったそうで「しにんのほね」では縁起が悪いと今の「支笏湖」という感じが当てはめられました。
「洞爺湖(とうやこ)」
支笏湖とともに支笏洞爺国立公園の中心となる湖で、周囲43㎞、水面標高83メートル、湖の深さは183メートルで支笏湖、摩周湖に次いで北海道では3番目、全国でも6番目の深さがあります。
この湖は、今から11万年余り前に羊蹄山が噴火したときに陥没してできた陥没地に水が溜まってできた火山性カルデラ湖です。
「クッタラ湖」
標高280メートルの所にある典型的なカルデラ湖で、「倶多楽(くったら)」火山の噴火活動で出来た湖です。
周囲8㎞水深146mのまあるい形・空の上から見るとまん丸の湖です。
「オコタンペ湖」
北海道三大秘湖の一つで天候や見る角度・時間によって、湖水の色がエメラルドグリーンやコバルトブルーなどに変化して見える不思議な湖です。
恵庭岳の西山麓にあり周囲5キロ、深さ21.1メートルのせきとめ湖で展望台からでないと湖を見ることができません。
「樽前山(たるまえさん)」
山頂に珍しいドームを持ち、標高1,041メートルの三重式活火山です。
樽前山が活動を開始した時期は約9000年前といわれていますが、明治42年(1909年)4月17~19日にあった噴火で、山頂にあの特徴的な溶岩ドームが形成されました。
樽前山熔岩円頂丘として、北海道指定文化財の天然記念物に指定されています。
「風不死岳 (ふっぷしだけ)」
樽前山と隣接するこの山は、樽前山とは対照的に険しい円錐形で深い谷を刻み、頂上は樹林に覆われた標高1,102メートルの山です。
山麓には幅が狭くて深い峡谷がいくつもあり、そのひとつが観光スポットとして知られた苔の洞門です。
「恵庭岳(えにわだけ)」
標高1,320 メートルで、約4万年前あった巨大噴火によって現在の支笏湖をとり囲む支笏カルデラが形成されました。
風不死岳、恵庭岳、樽前山の順に噴火活動が開始されたのです。
「登別温泉」
東洋一の温泉郷、温泉のパラダイスといわれるほどの温泉地です。
9種類の温泉が湧出する道内屈指の温泉郷で、毎年数多くの方が訪れ温泉を楽しんでいます。
「洞爺湖温泉」
洞爺湖の南側の湖畔にある温泉街は、ホテルや旅館の数も多くお土産屋さんや足湯などがありとても賑やかな温泉街です。
山側には、今なお噴煙たなびく有珠山(うすざん)や昭和新山(しょうわしんざん)などの活火山が続き、「洞爺湖サミット」が行われたり、洞爺湖有珠山ジオパークが「世界ジオパーク」の認定を受けるなど活気あふれた温泉街です。
国立公園は、その景観の度合いにより特別保護地区、特別地域、普通地域に区分して管理されています。支笏洞爺国立公園では、特別保護地区に樽前山の溶岩ドーム、オコタンペ湖、有珠山、昭和新山、登別地獄谷、羊蹄山などが指定されています。
温泉につかって美しい風景を眺め、湖上遊覧、そして登山やキャンプ、ハイキング、魚釣り。
冬は、スキー、スケートと四季を通じて満喫することができる公園です。
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